そして次の日、
朝、教室に入ると1番に目に入ったのは仁菜の姿。
一瞬目があったような気がしたけど、
すぐに逸らされた。
つい最近、席替えをしたせいで
俺は仁菜の隣ではなくなってしまった。
仁菜は廊下側の前の席。
俺は廊下と反対側の窓際の後ろの席。
教室の端と端。
席は遠いし、仁菜には避けられるし、
周りの女たちは払いのけてもまたすぐに集まるしで、中々仁菜に謝るタイミングが見つからない。
どこでどう仁菜を捕まえようか。
授業中も、頭の中はそればかりで
うざい教師の話なんかこれっぽっちも耳に入ってこねえ。
ふいに目がいったのは時間割り。
そこで、俺の中に一つ作戦が浮かび上がった。
…これなら、いけるかもしれない。

