横目で見る玲子先生は、
何か思いつめているかのような、どこか悲しそうな表情を浮かべている。
やがて、少し時間が過ぎた頃…
「おい。見ろよ仁菜っ」
祐大くんの声を聞いて、
冷めてしまったミルクティーが入ったカップをテーブルに置きながら先生の方を見た。
先生と男の人が、何か言い合っている。
男の人が立ち上がった玲子先生の手を掴むけど、それを振り払って先生が席から離れる。
「玲子!!!!」
男の人が、玲子先生を呼び止める声が聞こえた。
だけど玲子先生は振り返らずに、そのままお店を出て行ってしまった。
気が抜けたように椅子に座る男の人を少し見た後、祐大くんの方を見ると、
祐大くんもちょうど男の人の方を見ていた。

