「そういや、昨日たまたま帰るとき玲子先生と正門のとこで会って、そんまま駅まで喋りながら一緒に帰ったんだ!超ラッキーだろ!」
「本当?よかったね!」
「おう!」
嬉しそうに笑う祐大くんを見ていると、いつもつられて笑顔になる。
「よし!先生誘ってくるわ!…ってあれ?」
祐大くんは、勢いよくベンチから立ち上がったのと同時に少し前かがみになりつつ目を細めた。
「誰だあの人…?」
私も祐大くんが見つめている方向に目を向ける。
そこに立っているのは、スーツ姿の見慣れない男の人。
私たちの目線に気付いたのか、
こっちに向かって近づいてきた。

