映画。
その言葉に少し反応してしまった。
映画。私も誘われたことあったな。
片桐くんに……。
あの時は、罰ゲームなんてこと全く知らなくて、ただ純粋に嬉しかった。
…なんて、
頭の中が片桐くんのことでいっぱいになりかけていた時…
「仁菜?聞いてる?映画どう思う?」
「へ!?」
祐大くんに目の前で手をブンブン振られて、我にかえった。
「あ、映画…。うん!いいと思うよ!これ面白いって今人気だし。」
「おー、そう?いつものお礼に。ってことで渡そうと思うんだ」
最近、よく玲子先生に英語を教えてもらっている祐大くん。
わからないとことかも、メールで聞いたらすぐに返事を返してくれるらしい。

