奪いたい。 今すぐに、あの中に割り込んで。 無理やりにでも。 …そんなことが、ふと思い浮かんだ。 何考えてんの俺。 あーーーーー、 本気でわけわかんねぇ!!!! ーーーーガシャン!!! イライラが抑えきれなくて、 鍵を廊下に投げつけた。 祐大と仁菜が抱き合ってる光景を見て、苛々している自分自身がよくわからなくて。 そこまで自分が仁菜にこだわる意味もわからなくて、 それに対してもイラついて。 教室の鍵を廊下に投げ捨てたまま、俺は早足で学校を出た。