「それじゃあ、私急いでるから。明るいうちに気をつけて帰るのよ」




「はいっ!!!!!」




無事に松浦も連絡先をゲットして、廊下から先生の姿が見えなくなるのを見送った。





「…っ。うわーー。マジで電話帳に入ってる。信じらんねぇ!!」




携帯を見つめながら、
嬉しそうに笑う松浦くん。





よかったなぁ。そう思っていると、





「笠原さん!!!!」




名前を呼ばれたのと同時に腕を引かれて、松浦くんに抱き寄せられる。




「本っっっっ当に、ありがとう!笠原さん!!!!」




抱きしめられたまま、ブンブン左右に振り回される。




「ちょっ、松浦くん!!?苦しいっ」




「え?…あっ!悪りぃ。嬉しくてつい…」




我にかえったのか、パッと腕を離されて、私は少しふらつきながら解放された。




「よし。これから俺、頑張るわ!!」




「うん!応援してるよ!」




私がそう言うと、
本当に嬉しそうに笑う松浦くん。




協力した甲斐があった。よね?




そんな松浦くんを見ていると、
私まで笑顔にされて、少しだけ、心のモヤモヤが晴れた気がした。