なんて、一瞬頭の中によぎった信じられない考えを全力で否定する。
でも、これ以上教室にいると苦しい。
授業中も、隣の席の片桐くんが嫌でも視界に入ってくるし
早く学校終われ。
そう思いながら、
ここ数日過ごしてきた。
終礼が終わると、
一目散に教室から出る。
最近、毎日冬華は彼氏さんに迎えに来てもらって2人で帰ってるから
帰りは私1人。
急いで駅まで歩くと、
普通にゆっくり歩いて来る人よりも一本早い電車に乗れる。
今日もそれに乗ろうと、
急いで靴箱で靴を履き替えていた時…
「…笠原さんっ!!ちょ、待って!!」
「え?」
振り向くと、そこに立っているのは
息を切らした松浦くん。

