嘘つき男子の愛し方






そういや、前もこんなことあったな。




確か、桃の時。




あの時は俺がホテルを出たんだっけ




あの時も、桃を抱きながら頭の中ではずっと仁菜のことを考えていた。




今もそうだ。




仁菜に感じた、あの心があったまるような感覚。



あの女では感じられなかった。




身体を重ねて、
確かに温かくなってるはずなのに。




前の俺なら、
それで満足できていたのに。




今の俺は、仁菜の時とは違う感覚が
不快で仕方ないと思ってしまう。








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それから、何度も女を抱いた。



毎日、違う女を抱いた。




けどやっぱり、満たされることはなくて




逆に苛立ちだけが募っていく。




まるで、身体は満たされていても、



心が満たされていないみたいに…。