「それで、聞きたいこととは?」
 交番に入り、挨拶を済ませると、すぐに直真さんが聞いてきてくれた。
 この交番に入るの、二回目だなぁ。

「この写真の右端に写っている男性を、ご存知ですよね?」
 涼君はそう言うと、バッグから写真を取り出し、直真さんに見せる。
「おお! 二階堂君じゃないですか! どうしてあなた方がこの写真を?」
 二階堂さんの写真?
 そんなの、涼君はいつ貰ったんだろ。
 私は気になって、二人が見ている写真を覗きこんだ。

 しかし、そこに写っていたのは、涼君と翠ちゃんとおじいちゃんの三人だった。
 ん?
 右端に写ってるのって、おじいちゃんじゃん。
 二階堂さんって人、会ったこともないし。

「あれ? 二階堂さんじゃなく、おじいちゃんですけど。この右端の人」
 私が言うと、直真さんは目を丸くした。
 涼君は、特に驚く様子もない。
 何だか、話が噛み合わないなぁ……。