映画の内容は、ようするに悲恋もので、学生時代からの恋人が離れ離れになったり、ライバルが現れたりで、なかなか上手くいかない。

途中、二人が涙ながらに別れを決意するシーンでは、恋愛経験の少ない私でも、胸が苦しくなった。


お互い好きなのに、一緒にいられない、上手くいかないなんて。


・・・私が今考えてるのは、課長のこと?それとも隣にいる窪田さん?


・・・いや、そもそも、お互い好きなのに、なんていうのが私の場合だいぶ都合よく考え過ぎか。


そんなことを考えていると、窪田さんが目のあたりをごしごしとこすっているように見えた。


ちらりと見てみると・・・、え、窪田さん、泣いてる?


暗闇の中で、ひとり焦ってしまう。


正直、意外だった。


いつも余裕そうにしていて、あまり真剣になったことがなさそうな(←失礼)窪田さんが、映画を見て(それもラブストーリー)泣くなんて。


・・・み、見なかったことにしよう。


二時間はあっという間だった。


映画館を出ると、時刻はすでに夕方だった。


映画の途中で見た窪田さんの横顔を思い出すと、なんだか正面から顔を見られない。


・・・なんで私のほうが照れてんだ。


そういうギャップ、なんか、ずるい。