父親と菜実が居なくなった時、中学生だったアタシは、裕福な生活を失った……。 「だから、今月の養育費と慰謝料を早く振り込んでって、何度言ったらっ、ちょっとっ…!」 家電の受話器を置いて、母親は深い溜め息をつく。 アタシはそんな母親を横目で見ると、テレビを見ながら聞いた。 「ねぇ、今日の晩御飯何?」 「毎日毎日…。それしか言えないの?女の子なんだから自分でご飯くらい作りなさい!このままじゃお母さん、働かなきゃいけなくなるのよ?」 「自分で作るくらいなら、いらなーい」