アタシはもうこの町には戻れないんだ。 どんなに戻りたくてもな。 「アタシ、そろそろ行くから」 「行くなら止めないけど…いつでも帰って来なさい」 アタシはババァの方を振り向かないで、家を出ると涙をそっと拭った。 これがババァと会う最後の日になるなんて、アタシは思ってなかったよ。 この時アタシがババァと一緒に住む決心が出来ていたら、菜実を刺す事もなかっただろう…。 でも 後の祭りだ