NA・NA・MI


菜実が居なくなってから3ヶ月、アタシは平和な日々を送っていた。


でも、不幸はいきなり訪れるんだ。







アタシが109で買い物を済ませ、店から出た瞬間だった。



「キャー、菜実ちゃんよ!」


「本当だ!」


「ここで取材って本当だったんだぁ!」



何だか分からない。

野次馬達がアタシの周りに集まって、アタシは髪を引っ張られたり、抱き着かれたりで、モミクシャにされた。


その時、奥の方で男達にガードされて、涼しそうな顔をして歩く菜実の姿が見えた。



アタシは知らなかったよ。



菜実が芸能界のトップスターに成り上がっているなんてな…。