アタシは何をやっても菜実には勝てないんだ。
小学生レベルの仕返しをするのが精一杯なんだ。
アタシはハイテンションで菜実を憎む気持ちから、一気に力が抜けて落ちて行くテンションの激しい変わり方に、気持ちがついて行けなくて涙が出た。
「泣いてないで早く前のアンタに戻りなさいよ!!」
菜実はそう言って、アタシがクラブホワイトに忘れて行った荷物を、アタシに思い切りぶつけて走り去った。
アタシは鞄から溢れた荷物を泣きながら拾う。
アタシは何をやっているんだ……。
部屋に入るとアタシはお風呂にも入らないで、カビ臭い布団にくるまって眠った。



