アタシはまだ冷たい風に身体を震わせた。
菜実のせいで酷い目に合ったんだ!
今度は何をぶっかけてやろうか?
アタシはそんな事を考えながら、コクリコクリとした。
カツンカツンと階段を上がるヒールの音が聞こえて来る。
このヒールの音が女で、もし同じ階の人で声を掛けて来たら、部屋に入れて貰おう。
これがヒールの音じゃなくて男だったらどうする?男でもいいか。どうせアタシの身体は汚れているんだ。
何があっても今更だよな。
「奈菜?」
アタシは久し振りに呼ばれた本当の名前に、眠気なんかふっ飛んで、勢いよく顔を上げた。



