NA・NA・MI


いつものように寮の前に止めて貰い、タクシーにお金を払おうとした瞬間、アタシは気付いた。


荷物をクラブホワイトに全部置いて来たんだ…。



「って事でさ、今払えないんだよ」


「いや、困りますよー。うちも不景気でね、立て替える余裕も無いんで」


「1000円くらい待ってくれてもいいでしょ?そんなに急ぐなら、明日クラブマリンまで取りに来てよ?」


「……分かりましたよ。今回だけですよ?」



タクシーの運転手は渋々帰ったけど、アタシは鍵さえなくて、仕方なく部屋のドアの前に座り込んだ。


ここなら誰にも文句は言われないだろ?