父親と菜実が居なくなって、すっかりゴミだらけになってしまった居間の中で、母親は言ったんだ。 「…○○高校?ダメよ。あそこは学費が高いでしょ?」 すっかり行く気になったアタシに、この女は水を挿す。 「だって、菜実と約束したんだよ?」 「そんなに行きたいんなら、学費はお父さんに払って貰うのね」 母親はそう言うと、又眠りについた。 父親に払って貰うって…。そんな事をしたら貧乏が菜実にバレるだろ! 同じ顔をして、同じ生活をしていた菜実だけには知られたくないんだ。