「先に言うね。
お母さんとお父さんは、亡くなりました。」


淡々と話す先生の話し。
不思議と理解できた。

わかってる、
いないなんて


だってパパとママは

赤の中にいたの。


私は知らない人の腕の中にいたの。



「先生、私ねみたんだよ
パパとママね、赤のなかでね
それでね熱いってゆってた気がしたの。
私はね、知らない人に抱っこされててね
ママとパパは?って、聞いたの。
そしたらね、頭よしよしされたよ
ほめられたのかなぁ」




無性に喋りたかった。


「パパとママ、もう私には会いにきてくれないのかなぁ」



見えない。

心が。


真っ黒に埋め尽くされていく