しばらくしてきた人は、あまり優しそうじゃなかった。
「彩乃ちゃん、こんにちは。
体調はどうかな?」
声が出なくて首で返事をする。
「そっか。
何が起こったのかわかるかな?」
そう聞かれて、
今までの記憶が1枚のアルバムみたいになって浮かんでは消え、浮かんでは消え
最終的にたどり着いたのは、視界いっぱい広がる赤。
「赤」
暖かかった。
あったかい赤。
オレンジ色にも見えたかな。
ちょっと臭かった気もする。
そんなことを思いだした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…