自分の心拍数が上がったのがわかった。
顔も少し熱くなった。

気付かれない様に、あいつの靴を目で追いながら、何かがいつもと違うことに気がついた。


乗ってきた扉の近く……じゃない。


見慣れたハイカットは私の目の前にあった。


「…おはよう。…」

相手の様子を伺うような聞き方と、私に聞こえるギリギリの大きさで朝の挨拶をしてきた。

「お、おはよう。…」
私も相手に聞こえるギリギリの大きさで返した。