いつの間にか夏は終わって、もう秋も終わりそうなこの季節。
私は足早に家を出て、少し離れた高校へ行くために駅へ急いだ。
慣れない寒さの中、今日からマフラーをしていくことにした。
「寒っ、。」
まだ息は白くならないけれど、秋真っ盛りだと思っていた私にとっては容赦ない寒さだった。
こんなに寒いなら手袋もすればよかった。
今更、遅い後悔をしながら各駅停車の電車に乗り込む。
「プシューッ」
とゆう音がして、電車は少しずつ動いていく。
別に、特急でも高校前の駅には止まるか
ら、各駅に乗る必要はない。
ただ朝の特急は、通勤者などで混雑して学校に着くまでにヘトヘトになってしまうからあまり乗りたくはない。
特急のそうゆうところが好きじゃない。
理由はもう一つある。
『ーー次は、、◇◇、◇◇です。…』
次の駅のアナウンスで、私の背中に緊張が走った。
(あいつが乗って来る。)
あいつが乗って来るのは決まって◇◇駅に7:55分着の各駅で、前から3つ目の車両。
いつも、乗ってきた扉の近くのつり革につかまる。
電車が止まった。
扉が開くと同時に通勤・通学の人達が車内に入って来る。
私は携帯をつつきながら、入って来る人の足元を見る
黒にスポーツメーカーのマークが緑色で入ったハイカット。
一人一人の靴を目で追って行く。
(……いた。)
