夜10時。

やっと仕事が終わった。

私はくたくたで、早く家に帰ろうと急ぎ足で歩く。

「ねぇ、危なくない?」


──びっくりした。いや、逆に怖かったし

見ると同じ品出しのアルバイトの男の子が自転車に乗っていた。

「大丈夫だから。平気」

私はそっけなく答えた。