再会は最高の媚薬

店を出て急いで信号を渡ろうと思ったのに赤信号になって足止めされてしまった。
すると体がふらつき、本当に酔っていることに今更気がつく。さっきは『酔ったみたい』と嘘をついたつもりだったのに。
信号手前のお店の壁に寄りかかって目をつむり深い息をつくと、人の気配を感じた。
目を開けて見ると聡史がすぐそばにいる。

「あっ・・」

思わず声が出た瞬間、聡の右手が私の後ろの壁につき、左手の人差し指が私の唇に乗った。
私が言葉を発しないように。そして顔を寄せてささやいた。

「もう逃げるな。俺の気持ち聞く前に消えるのはもうやめろ」

その言葉に一瞬息が止まる。

「俺はお前が好きだ。あの頃と変わらず今もな。伝えないで奈緒が離れるなら、しつこい位に言ってやる。奈緒、好きだ」

あまりにストレートな言葉で瞳が開いたままになる。
私のことが・・好き?今も?
ポカ~ンとなる私に聡史は、私の唇を親指で撫でながら問う。

「奈緒は?どう思っている?」

撫でられる唇は、嘘がつけなくなる。

「・・好き」

「ん?」

聡史は意地悪に首を傾げながら聞いてくる。もう一度答えるしかない。

「好き・・聡史が好き」

素直に答えると聡史は微笑み「じゃあもう逃げるな」と言って、唇を撫でていた左手で私の体を引き寄せてキスした。とても優しく気持ちを伝えるように。
そしてだんだん食むように熱くなる聡史の唇は、昔のようにどんどん私の体に馴染んでいく。

彼とのキスに夢中になりながら、ふと友人の言葉を思い出す。

『再会は最高の媚薬』

うん、そう・・その通りかもしれない。