そのとき、

「明里!おはよー!」

私の名前が遠くから聞こえてきた。

私を呼んだ彼女は学校へ続く桜並木の坂を下り、私のもとへかけて来た。

「亜美、おはよー」

亜美はうれしそうに笑い、一呼吸ついた。

そして

「もぅ高校だって!」

と驚くように笑って見せた。

そう、今日は高校の入学式。

私たちは晴れて高校生になった。