もしあの時に戻れたなら、君を傷付けずに済んだかもしれない。

「待って玲奈ッ!!」


ガバッと体を起こし、腕を伸ばす。
同時に、その腕が何かを突き飛ばした。


…ん?突き飛ばした…?
ていうか、此処教室…!?


「日向ああああ!!!」


「すみませんんんんっ!!」


低く唸るような先生の声に、私は慌てて謝ったが、時既に遅し。


「廊下に立ってろ!!」


物凄くご立腹の先生に、何も言わず渋々廊下に出る。
教室を出るとき、玲奈の不思議そうな顔が見えた。


「あれ、美緒?」


「あ…悠…?何で…」


廊下に出ると、丁度同じタイミングで教室から出て来た悠が居た。