ーー昼休み
「ねぇねぇ光輝ぃ♡」
「今日どっか行こー!」
可愛い女の子達に囲まれて、今日どっか行かない?
なんて誘われてる一条君。
やっぱり人気者なんだなぁ。
なんて考えながら、かおちゃんと いつもの場所 に行く。
校舎裏の少し奥にある小さなスペース。
一条君を横目に歩き出そうとすると、
ふと耳に入った言葉。
「んー…僕彼女いるからなぁ。」
へー…一条君彼女いたんだぁ…。。。
えー!なんて言う女の子達の声が耳に響く。
…もしかして、私の事…?
まぁ、名前は言わないよね。
て言うか、お試し期間なんだしそんなの広めないでっ
て抗議したかったけど、一条君の言う〝彼女〟が私じゃなかったら恥ずかしすぎるし。
「行こうよかおちゃん。」
なかなか歩き出さないかおちゃん。
どうしたのかな?なんて思ってかおちゃんをふと見る。
そんなかおちゃんが見ていたのは、紛れも無く一条君で、なんだか胸が痛んだ。
「彼女…いたんだ、ね。」
小さな笑顔でかおちゃんが私を見た。
「ね。」
かおちゃんに言いたいけど、言ったら…
なんて考えると怖い。
ほんと、酷いなぁ私。
…ごめんね、かおちゃん。
私…私の勘違いじゃなかったら、、、
一条君の彼女なの。。。
きゅーっと胸が締め付けられる。
「私…言う。
一条君に告白するっ!」
真剣な目をしてかおちゃんは言った。
「そっか…かんばれっかおちゃんなら大丈夫!」
…そんな事しか言えなかった。
ちゃんと笑顔を向けてられてるかも分からないけど、
私はかおちゃんを心から応援しようと思った。
自分勝手だけど、今私にできるのはそれくらいの事で。
また、いつもの場所へと足を向かわせたーー
