翌日
寝坊しちゃって慌てて支度中。
♪ピンポーン♪
…チャイムが鳴りました。
誰だろ?
「はーい今行きまぁす!」
はいはーいっとか何とか言いながらドアを開けるとそこには、
「おはようっ」
それはそれは可愛い笑顔の一条君。
「お、おはよう。」
一条君の元気さに押されて苦笑いぎみ。
んーやっぱりクールな一条君とは違うよなぁ。
もしかしたら、誰かに魔法をかけられたっ⁈
いやいやでもさ、私の前で変わったんだから。
魔法をかける人なんていなかったよなぁ…
…んじゃあ何でだろう?
クール…きゅるるん…クール…きゅるるん…クール……
なんていう変な妄想が頭を巡る中、ふと気付いた。
「あっ着替えしてなかった!」
自分の格好を見直すと、
ピンクの水玉のワンピースみたいのに前後ろ逆の黄緑のスウェット。
昨日一条君可愛かったなぁなんてずっと考えてたから…
ちゃんときれてないじゃん!
うわぁぁ//恥ずかしい。
しかもそれをずっと見てる一条君。
でもたまに下を向いて口に手を当てている。
耳まで赤くするほど笑えるの?私の格好!
ますます恥ずかしい。
「えっと…ち、ちょっと待ってて!」
そう一言告げるとドアを閉めて中に入る。
うわぁぁっっ//といった感じにキャーキャーしながら急いで着替えた。
急いでドアを開ける
「お待たせっ!んでどーしたの?」
「一緒に学校行こうと思って。
あとね、ボタン擦れてる。」
そう言うと一条君は、私の近くに来てボタンを手に取る。
上から1個ずつズラしてハメていく。
胸はドキンドキンと大きく揺れている。
うぅ〜…なんでドキドキしてるの?
止まれっ止まれぇぇ!
いや、止まっちゃダメか。
そんな内にもボタンは次々にハメられていって最後までキチンと埋まった。
「えっと…ありがと。」
お礼言うのって照れるなぁ。
なんて顔を俯かせてると、
「ううん。そんなところも可愛いから。」
と、眩しい笑顔を向けてきたのだった。
「かっ可愛くないよっ//」
まぁ、嬉しいけどさ、、、
そんな私を見てふわふわと笑ってる一条君。
んじゃあ行こっか。
そう言って差し出された手。
ん?ハイタッチかなぁ?
それとも何か貸して欲しいの?
むー…と悩んでるとスッと私の手を取り引っ張った。
「遅刻しちゃうから早く行こ!」
走る一条君。
そう言えば体育の成績も良いんだよね。
凄いなぁ。と考えながら必死に足を動かす。
短足な私とは違ってすらっと長い脚。
細く伸びる白い腕。それでもしっかりとしていて自分との差が一目で分かる。
目は大きくて鼻は小さく高い。
んー…考え出したら止まらない。
良いところしかないんじゃ…
て言うかそろそろ体力が、、、
「い、一条君!ハァハァ…た、いりょく…が……ごめ…っね。」
息切れしながら一条君に喋りかける。
「あぁ。そっかごめんね。
気にしてなかったや……」
シュンとした空気を醸し出す一条君。
どんな雰囲気も似合うよなぁ。
なんて、ふと思う。
すると一条君は今度はゆっくり歩き出した。
しかも、私のペースに合わせて。
やっぱり優しいなぁ。
でも、今まで一条君に感じてた雰囲気と今は全然違って、少し違和感を覚える。
学校ではどうだったけ…
一条君って、、どんなだっけ?
