中学2年 春


「萌絵~!!!なん組だった?」

「1組!理緒は?」

「2組...離れちゃった~...」

「大丈夫だよ!休み時間行くからね!!」


川瀬 萌絵。恋は全く未経験。

正直言うと彼氏とか憧れる。けど...
男子が苦手。
学年ではカップルができるたびに
冷やかしが始まる。

そんなのって恥ずかしいし。
まだ早いと思ってる。


クラス替えもあるしまずは彼氏よりも
皆と仲良くなれるように頑張らなきゃ!


ガラッ


一息ついてドアを開けた。
教室に入ると

「萌絵!また一緒のクラスだね!」

と唯が話しかけてきた。
唯とは1年生の時に同じクラスだった
だけで特に関わりはなかった。

背が小さくて顔も美人と言っても
おかしくない。

「うん!2年間よろしくね~!」

私がそう言うと唯はニコッて笑っていた。


私は隣の男子が誰なのか気になって
急ぎ足で座席表を見てみた。

名前は 新城 悠哉

小学校が一緒で小さいときに
よく遊んでいた人だった。

悠哉は動物で例えると...犬?
すごく人懐っこいが時々口が悪くなる。

よく遊んでいたせいか悠哉は
苦手ではない。

「なんだ、隣、萌絵かよ!」

「なんで隣が悠哉なの!ほんと最悪~」

「それはこっちのセリフだバカ!」

悠哉はそれだけ言って近くの席の
荒井 隆弥のところへ行った。

荒井隆弥は肌が白くて
背が高くてとにかくスタイルが良い。

羨ましい。なんて思ってしまう。
名前が似てるのか二人は仲が良いみたい。

二人を見ていたら隆弥と目があった。
すると、隆弥は私に向かって
優しい笑顔を見せていた。

私はそれに深い意味は無いだろうと
苦笑いしていた。