わたしの投げ掛けた質問に笑いもしないで、冷静に「最近のロボットにはできるんですよ」と言った。
「成に頼まれたことがあって…」
レオと名乗った彼は、ジャケットの内側のポケットから白い封筒を取り出してテーブルの上に置いた。
「これは成からの手紙です」
「兄さん、からの?」
わたしの兄・川崎成は、ボストンにいる。
わたしと兄さんは5つ年が離れていて、母は兄さんが20歳、わたしが15歳のときに病気で亡くなっていて、そんなわたしを兄さんが親のように面倒をみてくれていた。
特待生でボストンへ留学し、そのまま大学院まで進みそこで研究室の仕事をしている、はずだった。
いつからだろう。
兄さんと連絡がつかなくなっていったのはーーー
「兄さん、は、元気なんですか?いま!いまはどこにいるんですか?」
胸が、ギュッと拳で握られているように苦しくなる。
「…俺も、成と連絡がつかなくなっていて…」
「え?だって、あなた、兄さんに造られたアンドロイドなんでしょ?」
レオと名乗る彼がアンドロイド型ロボットだということを、どうしたって信じられないけどーーー彼はずっと、兄さんと一緒にいたんじゃないの?
「確かに…、俺は、成に造られたアンドロイドです…」
彼が少しうつむく。一瞬見える切れ長の目が、悲しく歪んでいる。
「俺には俺の"仕事"がありました。だから、成に造られたんです。最新気鋭のロボット工学に長けていたのは彼だったから」

