サクラと密月



何にも考えたくなくて仕事に没頭した。



あっという間に昼休みになった。


朝の女の子を誘って食堂にいく。


食べたら元気になるかもしれない。


彼女が友達の話を始めた。


こんなたわいのないおしゃべりが、今日はすごく心地良い。


 向こうの席で上司が何か話している。


すごく楽しそうだ。


こんなに人がいるのが今日ほどほっとしたことがあっただろうか。


圭介くんのことも、部長のこともなんだかどうでもいいような気がしてきた。


たまにはそのまま返事をしないでおこう。



そう決めた。



 食事を終えると、席に戻り彼女と雑誌のチェックとスマホのチェック。


もうすぐ給料日だっけ。


今のクローゼットの中では足りないものや、今年流行りそうなものを考える。


マフラーと手袋ほしいな。


あとアクセサリー。


そろそろ新しいのが欲しいや。



そう思うとワクワクする。



彼女とあれこれ話ながら、お互いに欲しいものを呟く。


ネイルサロンでどんなネイルにしてもらうかも考えなくては。


そう思って再びスマホを開くと、また部長からのメールだった。



名古屋駅に6時につく新幹線の切符買いました。


よろしく。



なにが一体よろしくなのか全然解らない。


こちらの都合も聞かずに予約するのって一体どうなのだろう。


多分私が必ずくると思っているんだよね。