女同志の有ることないこと会話で元気になった私。
彼女と別れ、自分の机に座ると上司がやって来た。
「おはよう、今日圭介くん風邪で休みだって。彼あての電話来たらそう言っておいて。」
それだけ言うと自分の席に戻っていった。
一瞬頭が真っ白になった。
やっぱり私のせいかな。
なんだかモヤモヤした気持ちで仕事が手につかない。
電話や来客をさばくうちに、お昼前になっていた。
軽くメールを送っておこうか。
でもなんて送っていいかわからなかった。
迷っているとスマホがブルブル震えた。
圭介かも。
はやる気持ちを押さえて、席を立つ。
トイレに駆け込みスマホを開いた。
それは圭介からのメールではなく、部長からの誘いだった。
今日は出張で東京に来ています。
お土産買いました。君の好きなお店のお菓子です。
渡したいので今夜一緒に食事しましょう。
東京を出るときメールします。
予定を空けておいてください。
以前ならこんな誘い喜んだのに、なんだか今日は気が重かった。
圭介のことが気にかかるからだった。
返事をしようと思ったがなんだかそんな気にもなれない。
あまり長くトイレにいるわけにもいかず、とりあえず席にもどる。

