サクラと密月




元気そうだね。

俺も皆に会いたかったな。

皆の話聞きたいです。

今偶然、東京に行く新幹線の中にいます。

今熱海なのでもうすぐ着きます。

今日は午後から仕事なんだ。

良かったらお昼を一緒に食べましょう。



そう書いて返信を押す。


我ながらふざけてるなと、一人で笑った。



窓の外は山々を過ぎて、街の景色に変わった。



子供の頃は新幹線の運転手にも憧れた。


パイロット、野球選手。


結局サラリーマンになった。


後悔はないが、自分に負けてはいないか不安になる。


こんな時、時学生時代の友だちに会って、自分のを確認してみたくなった。


みんなは一体なにしているのだろうと。


けれど仮にも彼女は元カノとはいえ、人妻だ。こんなに急に誘うのもどうかと思う。


大丈夫、彼女なら笑って断ってくる。


昔の様に、なに馬鹿なこと言ってんの?と


俺はそんなリアクションを期待していたのだ。


ところが暫くしてから返ってきたメールに、俺は驚いた。