サクラと密月

 


そんな訳で会社に顔を出さずに、東京へ直行できるのは有り難かった。


名古屋駅から和彦と一緒の新幹線で行く。


和彦は年上だが、中途入社で俺より後輩になる。



いつものように名古屋駅はサラリーマンで一杯だった。



彼は年齢が近いので話しやすかった。


学生の頃の話や、ゲームの話が多かった。


近頃したことのない会話だったので、新幹線の中は案外楽しく過ぎた。



東京駅でメーカーと合流し、一緒に売り込み先へ向かう。


天気は上々、仕事もスムーズに終わった。


前回はご馳走してもらったので、今度はこちらがご馳走することになった。



東京駅の近くの中華料理の店だ。



メーカーも二人、こちらも二人で年代もほぼ同じ。



話してみると趣味も似ていて話が穏やかに進んだ。


和彦がいたからかもしれない。


二人の趣味もどうも調べてあったらしい。


相手の一人が同じ営業なので、一度電話で今日のことを打ち合わせいていたようだ。



「今日は上手くいって良かったです。」そうメーカーの営業が言った。


皆同じ気持ちだった。


今日はお互いこれで帰ることになっていたので、ビールを一本ずつ付けた。