その後の飲み会で彼女と話をしていた時のことだ。
彼女はその場でも、本人は気がついていないが、グループの何人がの男たちの
注目の的だった。
俺が彼女に話かけると、別の何人かも話に加わってきた。
他の男たちに何を言われてもにこにこしている彼女の姿は、俺を不安にさせた。
そんな気持ちは初めてだった。
彼女を別の男には渡したくなかった。
彼女は素直だ。だから例えば困りごとやお願いには丁寧に答えてくれる。
そこを利用した。
帰りがけ、次に彼女に会えるように彼女に仕事の相談をした。
思った通り彼女は連絡をくれた。
彼女は真剣に俺の話を聞いてくれた。
その姿が俺の心を動かした。
いつの間にか嘘が本当になり、色んな話をする自分がいた。
彼女はいつも自然体だ。
そして、誰に対しても真剣に向き合おうとする。
誰かを出し抜こうとか、自分だけは上に行くという世界しか見たことのない俺には新鮮だった。
そんな世界にいたからかもしれない。
出張に行った時、ついでに買った土産を渡す。
すると彼女が、次に合う時に手作りのケーキを持ってくる。
蘭ではまず考えられないそのやりとりが、不思議つながりとなって、交際となった。

