しかし、これがなかなか上手くいかない。
大学を出たばかりの自分に、ホイホイそんなことさせたくれるほど世の中めでたくは
ないのだ。
だから今回のプロジェクトが決定した時は、信じられなかった。
そして、このチャンスを最大限に生かすことに俺は決めた。
何を犠牲にしても。
未羽と俺の関係はどういうものだろう。
実際彼女は優秀だ。
彼女は気がついていないが、セミナーで賞を取れたのは彼女の力も大きい。
なにかを文書にまとめるという仕事は、知識と経験が必要だ。
彼女にはそれがある。
あのまとめにくいチームをまとめてくれたのも、実は彼女だ。
さりげなく、なおかつ瞬時に判断するその力はなかなかお目にかかる機会がない。
あの新人ばかりの場所では特に。
彼女が少し早く社会に出ているからというのもあるのかもしれない。
とにかくあの時の俺には、驚きという気持ちしか、感じることがなかった。
こんな女性もいるのだと。

