彼女と知り合ったはのは、大学でのことだ。



同じ学年の俺達は、別々の大学に通っていたが、映像研究会というサークルの


交流会で知り合った。


交流会の後の飲み会で盛り上がり、そのままお互いに連絡を取り合って付き合いだした。



それまで勉強ばかりしていたしていた俺も彼女も、付き合うと言っても高校生のままの様な



付き合いに近くてぎこちないものだった。



だから彼女が好きな人ができたと、俺とさっさと別れて東京までその男を追いかけていき、



同棲し結婚しても特に感情を持たなかった。



そこまで蘭に愛情がなかったから。



愛情という感情に定義はないから、自分自身そういうものに対して理解が


できないでいる。


彼女がいなくなって例えば、休みの日に買い物に行く時少し不便とか、一緒に行った


美術館の前を通る時どんな話をしたとか、そんなことは感じるのだか、目の前に新しい



仕事があると忘れてしまう。






自分には夢がある。



例えばレクサスが欲しいとか、新しいパソコンが欲しいとか。



そんな日々の中で感じた物たちを手に入れることが、今の自分の原動力になっている。



そして、いつか自分の作った物が、世の中に認められたいと強く感じるのだ。