サクラと密月




気がつくと車は、いつの間にか夜の中を走っていた。


東の空には大きな月が浮かんでいる。


彼の顔にすれ違う車のテールランプの光が当たったり消えたりした。


運転してる男の人って素敵だ。自分の為に何かに夢中になっている所が、なんだか


ぐっと来てしまう。


ハンドル握る手も素敵だ。


街を見る振りをして彼をそんな風に見ていた。


そして我にかえる。



何考えてるんだろう、私。



そして彼は私のこと、どう思っているんだろう。


とても知りたい。


それ以上に本当のこと知るのが怖い。


だからそこに触れない様に話をする。



行き当たりばったりの二人のドライブもとても楽しかった。


目の前を並んで走るトラックに文句を言ってみたり、可愛いいお店を見つけて


何のお店か想像したり。



喉が渇くとコンビニに入って飲み物を買ったり。



その間ずっと二人で話続けた。


会社の話、学生時代の友達の話。



何処からこんなに話が湧いてくるのか自分でも不思議だった。



何の話をしても楽しくて。


彼が笑うと嬉しくて。


彼もこんな気持ちなのかな。


一緒だといいな。