サクラと密月




食事が終わると車に乗り込み、三人で私の家に向かった。


蘭は私の部屋に泊まるのだ。


アパートにつくと、ハルにお別れする。


部屋に入り、電気をつける。


学生時代よく蘭がこうして泊まりに来た。


当然部屋の中のことはよく知っているので、私は窓を開けた。


窓から駐車場を見る。


 すると、そこにハルがいた。


こっちを見ている。


 私に気がつくと手を振った。


「蘭ごめん、ちょっと行ってくる。」


そう言って部屋を飛び出した。




ハルが行っちゃう。


お願い、そのまま動かないで。


速足で階段を駆け下りた。




ハルはそこで待っててくれた。


私はハルの前に進んだ。


「部屋、いいの。」



ハルが聞く。


「蘭は友達だから大丈夫。昔良く来てたんだ。」


そう私が言う。


もっと違うこと言いたいのに。


「明日きをつけてね。応援してる。」


 そう言うのがやっとだった。


それを聞いてハルが笑った。


「今度俺も愛果の部屋に行きたいな。」


私は目を丸くした。


もしかして、焼きもちなのかな。


すると突然抱きしめられた。


「ごめん、もう我慢できない。」


「ハル、どうしたの。」


抱きしめられたまま、彼の顔を間近で見上げる。


優しい笑顔がそこにあった。


そして彼の唇が私の唇に重なった。



初めての口づけだった。



まるで世界が止まったかのようだった。


音も聞こえず、私はただ彼の唇だけを感じていた。



「今度泊めて、でないと俺おかしくなる。」


唇が離れると、そう彼が私の耳元で囁いた。


私は彼の大きな胸の中に顔を埋めて、頷いた。


そうだ、ずっとこうしたかったんだ。


ハルもそうだったなんて、知らなかった。


「愛果は結構ニブイからな。俺大変。」


私はハルをパンチした。


うそ、うそと彼が笑った。


今度は私が素直になる番。


「ハル大好き。」


「知ってる。」


そう、最高の笑顔で笑う彼。



悔しいけど、そんなあなたが大好きだ。




心の底から愛してる。