サクラと密月




その日はそのまま、学生の時の様に二人でお布団を並べて寝た。


二人で何時までもああでもない、こうでもないと話続けた。


そしていつの間に朝になっていた。




明るくなった部屋で目を開けると、愛果が嬉しそうな顔でスマホを見ている。


「おはよ、どうしたの。」


私は眠い目をこすりながら、話かけた。


愛果はおはようと言った。


「ハルからのメッセージ、名古屋駅にいるんだって。写メついてる。」


見せて、私。


愛果の布団へ潜り込む。


「えーっ、やだ。」と愛果。

怪しい。


私はにっこり笑った。


そして、愛果が油断した所でスマホを奪うと、愛果に背をむけた。


愛果が騒いだ。


私は気にせず、スマホを開く。


そこには、ニット帽を被ってカメラの前でピースサインを出してるハルがいた。


後ろにJRのコンコースの壁画が映っている。


そしてメッセージ。


行ってくる。待っていろ。



うわ、ちょっと待って。


彼、一体何者。


愛果の方を見ると、幸せそうな彼女の笑顔があった。


「愛果、待ってなきゃダメだって。」


愛果はそう言われると、照れ隠しなのか私に飛び乗ってスマホを奪い返した。


そして、バスルームに逃げ込んだ。


ご馳走様でした。


早速お返事書かなきゃね。


学生の時、学校で姉御と慕われていた愛果。


教授にも一目置かれ、同級生の男子は頼りきっていた。


その彼女をあんなに可愛くするなんて、ハルくんはすごい人だ。


幸せそうな二人を見ていたら、なんだか自分も幸せな気分になった。