サクラと密月



すると、愛果が以外な事を話始めた。


「あれね、ワザとだったんだよね。」


そういってペロリと舌を出した。


私は愛果の顔をじっと見つめた。


 「圭介と蘭付き合ってたでしょ、だから皆で二人っきりにしようって相談したんだ。」


そういうと蘭も空を見上げた。



「星、綺麗だね。」


私も頷きながら見上げた。


「もうすぐ迎えが来るから、ここでまっていようか。」


そう愛果が話す。


私は星空から目を離さずじっと見つめていた。


愛果も星を見ていると思っていたのだ。


「ねえ、なんで圭介くんと別れたの。」


そう言われて、愛果をみた。


「あんなに仲良かったのに、信じられなかった。」


私は何も答えられない。


だって、自分が今一番後悔していたから。


「知ってた、東京に蘭と一緒に行った女の子圭介のこと好きだったんだよ。」


さすがにその言葉には、耳を疑ったけど。


「蘭が結婚した日の二次会で、一生懸命圭介に声かけてた。」


星の夜の闇の中、何が本当かよく分からなかった。


これはワインのせいだと思おう。


「圭介、その女の子に見向きもしなかった。あれは爽快だったわ。」


そういって笑った。


でも私は全然笑えなかった。


その時の圭介の気持ちを考えたら、胸が張り裂けそうだった。


一体彼は私の結婚をどう思っていたのだろう。


結婚すると告げると、おめでとうと言った彼。


もし、私と違う思いでいたのだとしたら。


もし私との未来を想像していたとしたら。



何より彼が寂しい思いをしていたのだとしたら。


何よりそれが私には堪えられなかった。


彼との未来、彼との約束。


そこに私がいたとして、でも私は勝手に人の物になってしまった。


一人で空を見上げる彼を想像するだけで、涙が溢れてきた。


気が付くと頬を涙が伝っていた。