しばらく席に通されるのを待ったが、話したいことが沢山あったのでそこで沢山話した。
周りも自分たちと同じように、女性の友達同士で来ている人が 多かったので、
話していてもお互い気にしなかった。
中学の時はクラス委員、高校時代も委員をしていた愛果は、大学時代と同じ様に
はきはき意見を言う。
そのはきはき感が話易い。
オブラートで包んだりしないから、意見がわかりやすいんだよね。
だから注文も早く決まった。
私はパスタのセットメニュー、彼女はピザのセットメニュー。
お互いパスタとピザを交換することで話がまとまった。
「元気そうで良かったわ、遊ぶ友達減って退屈してた。」
そう言って笑う彼女。
「そっちも元気そうで良かった。久しぶりだよね。」
大学時代、バイト代が入ると、ここのパスタをよく二人で食べに来た。
それが二人の楽しみだった。
少しワインも飲んだ。
バイト先の先輩の話や、サークル仲間の噂話。
店の人に嫌な顔されても話まくってた。
何回か顔を出すうちに、数人の店のバイトさんとも仲良くなった。
「学生の頃仲良かったバイトさん、辞めて別の仕事してるんだよ。今度は正社員だって言ってた。」
そうなんだと頷く。
お金のない私達によくおまけしてくれたっけ。
愛果は私がここにいることを、深く追求してこなかった。
今の自分の仕事の話が多かった。
後は共通の友人の話。
サークルが一緒だった先輩同志が結婚したとか、高校の同級生の女の子が
先生と付き合っていたとか、私がいない間にあったことを教えてくれた。
そんな気持ちが嬉しかった。
ひとしきり彼女の話が終わると料理が運ばれてきた。
蟹のクリームパスタとほうれん草のピザを交換する。
食べながら彼女がそっと、夫とはどうなのか聞いてくれた。
私はありのままを話す。
お互い言いたいことを話すのは、今も一緒なのだと嬉しかった。
私の話を彼女は黙って聞いてくれた。
でも圭介のことは言えなかった。

