「咲姫ちゃ~ん、もうそろそろお医者さんが来る時間よ~!」
いつものようにナースの山本さんが
私に知らせてくれるの。
山本さんは私が小学四年生の時から
面倒を見てもらってるの。
髪の色は栗色で
優しそうな表情。
こんなに優しくしてもらうと、逆にあやしくも思えてしまうの。
私なんかに構ってないで他の事をした方がいいんじゃないかな、と思うこともある。
時間の無駄だと思うの。
ナースの山本さんだってきっと私に構うのは嫌なはず。
「あ…はい!分かってます…」
「お医者さんに、外出しても良いって言われるといいわね」
山本さんは微笑みながら私に話しかけた。