星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~




~ 拓真 side ~


美姫『ただいま〜。』

詩織『やっと来たぁ!ほら早く行こ!
温泉だよ!温泉!!』

…ん?

なんか…

美姫の様子が…

笑ってるけど

あれは

無理してる。、

顔は笑ってても

心が笑ってない。。

たまに怒ってるような

泣きそうな顔をする。

さっきもだけど…

やっぱり紺野となんかあったな。

ケンカでもしたか。

美姫がそんな状態なのに

少し嬉しいと思ってしまう俺。

…最低だな。

紺野とケンカしたからって

俺のこと好きになるわけじゃないのに。


詩織『とぉーちゃーく!
じゃあ拓真と柊は後でね〜!
あたしは一緒入ってもよかったんだけどぉ…
やっぱダメだよねぇ〜♪』

別にお前と一緒に風呂なんて

入りたいなんてこれっぽっちも

思ってないし。、

拓真『はいはい。じゃあな。』

詩織『美姫の体…拓真の代わりに
よーーく見てくるからね♡』

小声でそんなことを言ってきた。

なにするつもりだよ。


ここで女子と別れ風呂へ。、



ふぅ〜

やっぱ温泉はいいな。、

お湯に浸かってると



詩織『わぁ〜!
美姫スタイルいいねぇ~!』

詩織の声が聞こえてきた。

…つか声でかっ。、

美姫『詩織声大きい!』

あ…美姫の声も…

詩織『いいじゃーん!
拓真たちに聞かせようよ!
ほら!拓真~!!』

聞かせるって

何をだよ。

てか…

他にも男子たくさんいるんですけど。

美姫『聞かせなくていいから!
拓真たちに聞こえちゃうでしょ!』

…全然聞こえてますけど…

詩織『いいじゃんいいじゃん!
減るもんじゃないんだし!
…ほらっ!』

美姫『ちょっ!詩織!?
どこ触って…』

詩織『やっぱね~!
美姫またおっぱい大きくなったでしょ~!』

美姫『…知らないっ!
てか触んないの!』

……詩織…

美姫になにしてんだよ…

ここにいるの俺たちだけじゃないんだけど…

『ちょっと今の聞いたか?
桜空さん細いのに胸あるんだってよ!』

『美姫ちゃんかわいくてスタイルも
いいとか…やばいな。』

……ほらな。

言わんこっちゃない。

他の奴らに聞かせてどうすんだ

バカ。



風呂から出て美姫たちと合流する。

旅館の浴衣姿…

似合うな。

風呂あがりの美姫は

少し顔を赤くして

近くにいるとシャンプーのいい匂いがする。


…でもなんか様子が変…?

さっきとはなんか違う…

拓真『美姫?どうした?体調悪い?』

美姫『ううん。
いつも付けてたブレスレットあるでしょ?
あれがなくなっちゃったの…』

ブレスレット…?

…あぁ、あれか。

たぶんだけど紺野にもらったやつ。

それでそんなにソワソワしてんのか。

拓真『また見つけたらとっとくよ。』

美姫『うん…お願いね。』

そんなに困った顔するなよ。、


詩織『あ~~ここ卓球できるよ!
みんなでやろーよ!』

卓球か…

強いんだよな…詩織

コイツとやると本気になっちゃって

風呂入った意味がなくなる。


……逃げよ。


拓真『俺なんか飲み物買ってくるわ。』

林『私も行く!』

二人で歩いてると

林『拓真くんは美姫ちゃんのどこが好きなの?』

!?

急になに聞いてくるかと思ったら…

拓真『どこがって…急になに?』

林『言ったでしょ?
拓真くんのこと好きだって。
諦めないって。
だから、拓真くんの好きな…
美姫ちゃんみたいになりたいなって…』

…そういうことか

林『ね?だから教えて?
美姫ちゃんのどこが好きか。』

美姫のどこが好きか…

そんなの

拓真『全部。』

林『え?』

拓真『美姫の全部が好きだよ。』

林『…もう少し具体的に言ってよ。』


林が俺の為に言ってくれるのは嬉しい。

……けど

拓真『別にいいんじゃないの?
美姫みたいにならなくても。
林さんには林さんのいいところ
たくさんあるじゃん。
俺はそのままの林さんでいいと思うよ。』

林『…本当…拓真くん…
…やっぱ私…好き。
拓真くんのこと。
簡単には諦められないよ…
拓真くんが美姫ちゃんのこと好きなのは
よくわかってるけど
私のことも考えてね…?』

俯いて顔を赤くしてそう言い残し

走って行ってしまった。


さっきの場所へ戻ると…

美姫がいない。