それから由依は学校には来なくなった。
どんなに時間がたっても由依は来なかった。
どんなに後悔してどんなに自分をせめても時間は過ぎていく。
紗希)明日香?
明日香)え?なに?
紗希)次移動教室だよ?
明日香)あ。ありがとう。
紗希に言われてやっとわれにかえった。
移動教室のため少し急いで廊下に出た。
廊下を少し急ぎ目に歩いた。
ードンっー
明日香)ごめんなさい。
吏胡)ごめんなさい。
下を見ながら歩いていたためぶつかってしまった。
これが吏胡…服部吏胡(はっとりりこ)との出会いだった。
吏胡)あ…はい。怪我ないですか?
そう言いながら吏胡は私の教科書を拾ってくれた。
明日香)あ…大丈夫。えっと…ありがとう。
吏胡)ならよかった。入山明日香ちゃんだよね?私…服部吏胡です。
明日香)え。なんで私の名前…知ってるの?
吏胡)あれ?テニス部だったよね?
明日香)う…んそうだけど…
吏胡)私…体育館での練習のときテニス部の隣でやってた卓球部だったんだ。
明日香)あ…そうだったんだ。吏胡ちゃん、よろしくね。
吏胡)こちらこそ!明日香ちゃん。あ。吏胡でいいよ!
明日香)わかった。じゃあ私も明日香でいいよ。
吏胡)わかった。明日香ばいばい。
吏胡は人懐っこくてとてもかわいい女の子だ。
りこがに出会って私は少しだけ心の中の刺が抜けた気がした。