蒼くんの急なお誘いに、私はその日ずっとご機嫌だった。 結局、明日は映画館に行って、お昼ごはんを一緒に食べることにした。 「お母さーん! 明日、蒼くんとデートするの!」 家に帰ると、一番にお母さんに報告する。 「あら、よかったじゃない! どこ行くの?」 「映画館! お昼ごはんも一緒に食べるんだよ!」 「そう。よかったわね」 お母さんは、そう言ってにっこりと微笑んだ。 私は階段を駆け上がり、自分の部屋へ走る。