「ちょっと、蒼くん………。もうちょっと小さな声で………」 「いいっていいって! それでさ…………」 蒼くんの少し低くてハスキーな声は、よく通るうえに大きい。 でも、私はそんな蒼くんの優しい声も大好き。 「明日、土曜日だしどっか出掛けようぜ」 「えっ………?」 蒼くんとお出掛け………嬉しい! 「おれ、夏休みに入ったらバスケの大会で忙しくなるからさ。今のうちに出掛けとこうぜ」 「本当? 行きたい!」