七月に入り、梅雨も明けた頃。 「詩音! 明日、予定空いてる?」 朝、教室に入るなり大声でそう言った蒼くん。 「え? 空いてるけど…………なんで?」 予想通り、みんなが冷やかし始めた。 「なんだ、デートかー?」 「お前ら、朝からラブラブだなぁ~」 蒼くんの隠し事ができない性格から、私たちが付き合っていることはクラス中にばれてしまった。 まあ、私も隠し事は苦手なんだけどね。 つまり、私たちはクラス公認バカップルだ。