「ねぇ、もう名前は決めたの?」 「ああ…………決めたよ」 お兄ちゃんは、照れくさそうにそう言った。 「なになに?」 「優希くんの『優』と、私の『菜』を合わせて、優菜(ユウナ)にしました」 山下 優菜。 かわいい名前だ。 「いいわねぇ」 「優菜ちゃーん」 若菜さんの腕の中で、すやすやと眠っている優菜ちゃん。