「詩音ー! 大丈夫?」
私が病室で図書館から借りてきた本を読んでいると、舞が来た。
「うん、大丈夫だよ」
私は、びっくりした。
だって、舞の後ろには、蒼くんと歩実がいたから。
「ちょっと………蒼くん、歩実! なんでいるの?」
「“なんでいるの?”じゃねえよ。倒れたって聞いて、びっくりしたぜ」
「でっ………でも、部活は?」
バレー部は今日休みだって舞が言ってたけど、バスケ部は?
「今日は、部活…………休みだった」
なぜか、蒼くんは照れたように自分の髪をくしゃっとかいた。
「蒼ったら。隠さなくていいのに」
「あっ…………歩実!」


