君とみた蒼空




「ちょっと…………お兄ちゃん」


すると、俯いていたお兄ちゃんが急に顔を上げた。


「詩音、絶対に治してみせるからな」


「…………うん」


「それじゃ、おやすみ」


そして、お兄ちゃんは病室を出ていってしまった。


帰っていいよ、と言ったのは私なのに、お兄ちゃんが帰ってしまうと急に寂しくなった。


「はぁ…………」


まさか、心臓病なんて…………。


まだ信じられない。



舞に、なんて話そう。


蒼くんに、歩実に…………なんて説明すればいい?



私の不安な心とは正反対に、夜空には星がきらきらと輝いていた。